台風15号が関東に上陸したのが9月9日。千葉県に甚大な被害をもたらしました。
テレビでは2週間が経った今もなお、停電している地域や人の弱みに付け込んだ
屋根の修理詐欺なんて報道が続いております。
思い出すのは2011年3月11日の東日本大震災の時…。
私が勤務していた施設は 1階がデイサービスで2階がショートステイ。
その日は午後からお客様全員が1階のフロアーに集まり、ボランティアの踊りを鑑賞中。
突然の地震と停電…。
目の前の電線が波打っていたのを今でも鮮明に記憶しています。
デイサービスに勤務していた私は、信号が止まっている国道17号を恐る恐る渡り、
開かない踏切をUターンし、隣の市を経由して線路の向こう側のお客様の御自宅へ。
とにかく、まずは自分の送迎車のお客様を全員無事に家族のもとへ送らなければ。
道中、運転席から見る光景は、止まった電車から大勢の人が降りて線路上を歩いている姿、
ブロック塀が倒れ、コンビニに人が溢れていました…。
何が起きているんだろう? 子供は大丈夫かな? 電話が通じない…。
必至でした…。
施設に戻ると停電でエレベーターは止まっており、その日に限って2階が生活の場のショートステイの
お客様も1階に全員降りていたため、職員がおんぶして大移動。厨房は非常食を準備。
デイサービスでも家族が東京勤務で帰宅困難な方や独居の方を緊急ショートステイへ。
バッタバタでした…今でも忘れません。
ようやく帰宅することができ、娘を見ていてくれた隣の家へ。
その家のママが真っ暗な部屋の中、ガスコンロで沸かしたお湯で入れてくれたコーヒーを
飲んだ瞬間の温かさ…
それは一生忘れることができません。
もちろん久しぶりの水分に喉も潤いましたが、それは明らかにコーヒーが温かいからではなく、
無我夢中だった私にくれたその優しさの温かさです。
「災害弱者」となる高齢者。
千葉のある特養ではもともとの入居者に加え、近隣に住む要介護者や避難施設では生活できない方を
受け入れ、熱中症にならないよう、隣町の酒屋で氷を配っていると聞けば車を走らせ、氷越しに扇風機を
回し、24時間体制で懸命な対応をしていました。
地震から8年が経過し、居宅のケアマネをしている私…。
担当しているお客様の家族状況・家屋状況を考える。
どんなにSNSで情報が発信されていても、そもそも携帯を持っている方は少なく、たとえ情報を
得ることが出来たとしても配給場所にたどり着ける方、物を運べる方はもっと限られる。
今回の千葉県のような状況になれば、施設の受け入れ状況を他県まで確認しているのかな。
ひとり暮らしの方に情報を自分の足で届けているかな。
状況によっては屋根に登ってブルーシートをかぶせるのを手伝っているかも。
雨に濡れた畳を持ち上げているかも。
ボールペンをチェーンソーに持ち替えて、お客様の家の木をブッタ切っているのかも。
何も出来ない非力な私でも、隣のママが私にくれたような温かさをせめて届けられますように。
皆様、朝晩が涼しくなって参りました。お体ご自愛ください☻